＜収録内容＞ ●血（O SANGUE） 1989年／ポルトガル／本編約95分／モノクロ／スタンダードサイズ／音声：ポルトガル語／字幕日本語 ある冬の夜、父親の行動に疑いを持つ青年ヴィセンテは彼を薬で殺し、恋人クララとともに遺体を埋める。そのことを弟ニーノに伝えないまま生活を続けようとするが、父の消息を尋ねる男達や伯父によってそれは崩れていく。フィルム・ノワールを思わせるようなモノクロームの映像のなかで、不安に苛まれながら生きる若者の表情が浮かび上がる、ペドロ・コスタはじめての長編作品。 ●骨（OSSOS） 1997年／ポルトガル・フランス・デンマーク／本編約94分／カラー／ビスタサイズ／音声：ポルトガル語／字幕：日本語 リスボン郊外のスラム街。ティナは子どもを抱いて産院から帰ってくるが、夫は翌朝その子どもを連れて出て行ってしまう。通りで物乞いをする彼に手をさしのべる看護師エドゥアルダは彼を家に引き入れる。ティナの隣人クロティルデは家政婦として働いていてエドゥアルダに雇われる。再び夫は子どもを抱いて街に出て、娼婦に子どもを売ってしまう。本作のクロティルデ役のヴァンダ・ドゥアルテとの出会いが『ヴァンダの部屋』へとつながっていく。 ●溶岩の家（CASA DE LAVA） 1995年／ポルトガル・フランス・イタリア／本編約110分／カラー／ビスタサイズ／音声：ポルトガル語／字幕：日本語 看護師のマリアーナは、リスボンの工事現場で意識不明となった男レオンに付き添って彼の故郷カーボヴェルデ島に向かうが、ヘリコプターがもどるまでその島の病院にとどまることを余儀なくされる。予期しない滞在のなかで島の人々ともつながりができていくものの、回復するにつれ傲慢な振る舞いを見せるレオンに失望する。ペドロ・コスタ曰く「破綻した冒険映画」と呼ぶ、荒々しい色彩と感情に彩られた作品。